あらすじ
「悪の華」咲き乱れる地獄では、パンク風の格好をした「破滅」が罪人たちを支配していた。「破滅」はギターをぎゃいぎゃいファズらせながら、得意のデス・ヴォイスで罪人たちへ呼びかける。
〝もっとも優れた詩を詠んだ者を、天国へ招待しよう〟
その日から地獄の罪人は全員詩人となった。地底で勃発する「陽気な死者」たちによる詩のボクシング。その詩は「深淵からの叫び」となって地上まで轟いた。しかし、地上で罪人たちの詩に耳を傾けるのは「病気のミューズ」ただひとり。毎夜、深淵に寝そべって詩を待つ「病気のミューズ」の影に、ひとりの罪人兼詩人「ドン・ジュアン」は次第に恋心を抱き始め──
偉大なる詩人たちのポエジーを下敷きに、天国行きの切符を懸けて繰り広げられる地底の詩劇!