アーティストデビュー、声優やアーティストバックダンサー、TV・ライブ・イベント出演、エイベックスへの入社等々、 エイベックス・アーティストアカデミーの 受講生たちが続々と夢を叶えています。
平成20年を機に学校でダンス教育が必修となった。
多くの教育機関が困惑する中、エイベックスアーティストアカデミー福岡校は教育委員会と協力の下、体育教員向けのダンス講習や、ダンス講師の派遣という新たな取り組みに着手。 2012年当初、6校(878人)からスタートした講師派遣は、今や19校(3142名)と徐々に活躍の場を広げている。
今回はエイベックスの試みを広く知ってもらうため、福岡市の離島:玄界中学校へのダンス講師派遣に密着した。
玄界中で体育教員を務める荒木先生。以前は自ら体育のダンスを指導し、生徒を複数のグループに分けて創作ダンスに取り組ませていたという。 本土ではダンススクールに通っている生徒も多く、グループの中心人物に必ずダンスを踊れる生徒がいたそうだ。
しかながら離島である玄界島にダンススクールは存在せず、生徒全員がダンス未経験。 これを機に、荒木先生はダンスへの理解を深めるため、福岡市教育委員会監修の下、アカデミーが実施している体育教員向けのダンス講習に参加したそうだ。
講習を受け、ダンスの楽しさを改めて実感した荒木先生は、「自分が指導するよりも、ダンスの良さをより理解した方から伝えて欲しい!」と考え講師派遣を希望。
こうして今年で3年目となる玄界中への講師派遣が実現した。
※2018年実施の教員向けダンス研修会。ダンス講師:YU-TA※荒木先生市営フェリーで約40分。離島に着くと登校中の小中学生と遭遇した。ハイタッチをしてくる元気な生徒やヤギのメイちゃんのお出迎えに島特有の温かさを感じる。
今回3度目の島訪問となるダンス講師:Cana先生は「ダンスの得意不得意は別として、子どもたちはダンスを一生懸命取り組んでくれます。ダンスを知らなかった子たちがダンスの魅力を知り、ダンスを楽しむ機会に携われるのは講師派遣ならではの魅力です。特に玄界中では当時1年生だった子が今年で3年生になっているので成長も見れてとても感慨深いです」と語ってくれた。
今年3年生が卒業するのは寂しいが、来年はまた、道中であった小学生が加わってくる。ダンスを通して知り得なかった子どもたちとも関係を築けるのが講師側への魅力の1つだ。
ダンスレッスンには中学1年から3年の計6名が参加。
Cana先生はあだ名で呼び合うスタイルを取り入れ生徒の心をすぐに掴んだ。
玄界中は生徒数が少ない分、空き時間がある教員は他の授業も率先して参加している。今回も社会の先生や音楽の先生、養護教論、時間帯によっては小学生も一緒に取り組んだ。
ダンスが苦手な子でも『できないことも楽しめるように』をモットーに考えられたCana先生のレクチャーは、生徒のみならず教員をも魅了し、立場の垣根無しにお互いに終始教え合う姿が見られた。
中高生時代、体育が苦手だった音楽の先生は「体育は勝ち負け競技が多いが、ダンスはみんなで楽しめるからいい」とのこと。また、ダンスの面白さを実感してくれたのは生徒も同様で「皆で協力してダンスをするから仲が深まったと思います。最初は難しかったけど、少しずつできるようになったので楽しく踊ることができました」と語ってくれた。
講師派遣は原則、各学校(各クラス単位)授業数3コマと決まっている。これは特定の学校にダンスレッスンが偏ることなく、万遍なく多くの学校に『ダンスが楽しいということを知ってもらう』という狙いがあってだ。ただ、よりダンスを完璧に仕上げる、という観点ではやや厳しい授業数だ。
そんな中、玄界中では昨年Cana先生から教わったダンスを自分たちで練習し、運動会で自分たちでアレンジしたダンスを応援団種目として披露した。
幼稚園から中学校まで、合同で運動会を行う玄界島。昨年のダンス種目は中学生が中心となり、自分たちの力で小学生へ分かりやすく振り落としをしたそうだ。
限られた時間でしかダンスを指導できない講師派遣ではあるが、こうしてダンスの魅力に気づいてくれた生徒たちが年齢の枠を超えて次世代へと繋げてくれる。まさにダンスの良さを世の中に広める上で理想的な形である。
ダンスレッスン後、Cana先生のリクエストにより、生徒による和太鼓演奏が披露された。15年前、大きな震災に見舞われた玄界島が島の活気づけで始めた伝統的な和太鼓である。
機会が無ければ一生触れることもなかったかもしれない、玄界島の歴史や伝統。 講師派遣があってこそ味わうことができた特別なステージとなった。
多くの学校に訪問しているCana先生は、その他にも、生徒と一緒に給食を食べたり、運動会へ招待されたり、寄せ書きをもらったり…。講師派遣がきっかけで生まれた関わりに活気づけられているという。
遠方でも足を運び、講師が積極的にダンスの魅力を伝えれるのもこうやって相互に得るものが大きいからだ。
今後も1人でも多くの子どもたちが『ダンスの楽しさ』を体験してもらえるよう、そして、多くの講師が子供たちからよい刺激を受けられるよう、アカデミーを上げて尽力していきたい。