会えない時期だからこそ深まったDream Teamの絆

コロナウイルス感染症拡大にともない外出自粛要請が出されていた5月。エイベックス・アーティストアカデミーも早い時期から休講となり、受講生たちは自宅で過ごすしかない日々を送っていた。そんな中、アカデミーの選抜チームである「Dream Team」にダンス動画制作の企画が持ちかけられ、すぐに実施し、SNS上で公開することに。
ここでは各チームのコレオグラフを担当した受講生、YuuuuukiとRYOCHELLの2人に作品への思いを語ってもらった。

Yuuuuuki チーム制作作品


RYOCHELL チーム制作作品

家でダンスするということがプラスに変わった瞬間(Yuuuuuki)
今まで当たり前だったことを大切にしていこう(RYOCHELL)

まずは今回の動画を撮ることになった経緯を聞かせてください。

Yuuuuuki:自粛要請期間の後半だった5月半ば頃に、「Dream Teamで何か出来ることはないか?」とスタッフさんから提案があったのがきっかけです。自分でも何か出来ないかと考えてはいたんですが、行動を起こすことがなかなか出来ずにいました。そんな中で今回の企画を投げかけてくれたので嬉しかったです。自宅でオンラインレッスンを受けることは出来ても、みんなと一緒に踊ることが出来なかったので。DreamTeamのみんなも精神的に辛い状況が続いていた中だったので、同じ気持ちだったんじゃないかなと思います。
RYOCHELL:自粛要請で自分が通っているダンススタジオがすべて休みになってしまい、ダンスをする場所がどこにもなくなってしまって…。それで最終的に近くの公園や家の前で踊るという生活を送っていました。これまで一緒にダンスをやってきた友達とも会えなくなっていて、「何らかの形で一緒に踊りたいね」って話していたんです。なので今回の話をもらった時は嬉しかったですね。

制作期間はどのくらいでしたか?

Yuuuuuki:動画の共有まで1週間でした。この話をもらってすぐに取り掛かりました。まず3チームに分かれることから始めたんですが、メンバー分けを僕がして、それからすぐにリモートでミーティングをして、僕たち「STYLE TEAM」の振りはみんなで作りました。
RYOCHELL:僕たち「HIPHOP TEAM」も1週間という短期間でした。


オンラインでこのインタビューを受けるYuuuuuki

それぞれどんな作品を目指して作りましたか?

Yuuuuuki:ざっくりとしたテーマは「ライン電話」なんですが、自分が主体で動くというよりは、みんなでアイディアを出し合って作るということが大きなテーマにもなっていました。「直接会えなくても、リモートでもみんなで繋がれる」というメッセージを全面に出したかったですし、チームとしてひとつの作品を作るということに重点を置きました。
RYOCHELL:HIPHOPって色んなジャンルになり得ると思うんです。だから自分たちの思う「HIPHOPってこういうイメージ」をわかりやすく表したダークな、ビートが強い曲を使って作りました。

テーマありきで曲を決めたのか、それとも曲先行でしたか?

Yuuuuuki:“聴いていて明るくなるような曲”っていうアバウトなテーマはあって、そこから何曲か探して、その中から決定しました。“ステイホーム”を思わせるような、「この自粛期間が辛いものじゃないよね」って思わせてくれるような前向きになれる歌詞が決め手になりました。

振付のこだわりや、見どころについて聞かせてください。

Yuuuuuki:パート分けや構成は僕が担当したんですが、それ以外はみんなのやりたいようにそれぞれのパートで任せているので、全部が見どころです! 構成というか流れの中でこだわったのはサビ終わりの手振りですかね。結構一番苦戦したポイントです。
振付に関しては“SNS映え”と“スキル”どちらもうまい具合のバランスを探って作りました。みんなが踊りたくなるような作品を作ってみたかったので、あまり難しくしすぎないように。でもDream Teamだからスキルも見せたいし…っていうところで。サビはマネして踊ってもらえるように結構簡単にしました。そのぶんサビ前の前半部分はスキルを全面に出した振りになっています。
RYOCHELL:HIPHOP TEAMはダークな曲を使っているので、暗い雰囲気を意識して撮ってもらうようにみんなにお願いして、服装も黒系で揃えました。振付はメンバーのSACHIHOと2人で作ったんですが、Dream Teamということで結構難しくしました。強く入っているビートを全部取って振りを作ったので、そこに注目してもらえたら嬉しいです。Dream Teamならではの高いスキルを見せることも意識しました。

動画制作で難しかったことや、印象的だったエピソードはありますか?

Yuuuuuki:一番印象的だったのは、初めてDreamメンバーとこんなに話したな、ということです。人数が30人くらいいることもあって普段はみんなと話す機会ってそんなにないんです。なので今回リモートでみんなと意見交換出来たことは僕にとって良い思い出になりました。
RYOCHELL:HIPHOP TEAMは短期間で焦りながら作った印象があります。やっぱりリモートで画面を通して振りを写すということもあって、みんなの踊りがバラバラだったことに苦労しました。細かい部分の踊りが見えてなかったりして、どうしたらうまく見せられるかというのを会議して、何度か撮り直しもしました。

世界最大級のダンスイベント「DANCE NATION」バックステージにて。
振付を担当したkazuki (s**t kingz) を囲むDreamTeamメンバー。

自粛期間を過ごして、またこの動画を作ったことによって、自身やチーム全体の意識の変化などはありましたか?

Yuuuuuki:自粛期間中にオンラインレッスンを受けたりはしていたんですけど、画面に向かって1人で踊っているだけなので寂しかったし、物足りなさを感じていたんです。でも今回はメンバーの顔を見るだけで安心できたというか、「一緒にやってる」というのを感じられたのがよかったですね。家でダンスするということがプラスに変わった瞬間でした。「みんなで踊れるなら、これもありなのかな」っていう心の変化がありました。メンバー間でも協調性が生まれたというか、繋がりができたのかなって思いますね。
RYOCHELL:コロナの影響で、スタジオがあってダンスレッスンが受けられるっていう、それまでの日常が失われてしまったので、今まで当たり前だったことを大切にしていこうという意識が生まれました。

では最後に、今回制作した動画を通して伝えたいことは?

Yuuuuuki:僕は「今しかできないことがある」っていうのを常に思っていて。まさにこのリモート企画がそうでした。みんなと向き合って話し合うということが今まではなかったですし、そういったきっかけを与えてくれたのも今回の企画です。なので、「自粛期間があったからこそできた作品」だという前向きなメッセージとして捉えてもらえたらと思っています。
RYOCHELL:自粛前と後とで、踊る機会が減ったダンサーがほとんどだと思うんです。 そんな人たちにもこの動画を通してダンスの楽しさや、かっこよさを感じ取ってもらえたらと思います。そしてこれからもDream Teamとして色々なことを発信していけたらと思っているので、期待していてください!

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