【講義レポート】エイベックスのアニメ映像事業
今週の講義は「エイベックスのアニメ映像事業の取り組み」というテーマに基づきまして、エイベックス・ピクチャーズ(株)代表取締役社長 勝股英夫 様にお越し頂きました。
また各プロデューサーやマネージャーにもお越し頂き、それぞれの実際の現場を通して経験してきたことを元にエイベックス・ピクチャーズがどのようなビジネスを展開しているかなどをお話頂きました。
エイベックスとアニメ
まずは勝股社長より、市況と事業全体についてのお話しを頂きました。
アニメを取り巻く環境について
テレビアニメのタイトル数はテレビアニメが始まったといわれる1963年から現在まで右肩上がりになっていて、日本のアニメ人気は衰え知らず。
そんな中エイベックス・ピクチャーズ(株)は今から4年半前に設立され、この7月の新タイトルは「天才バカボン」を含め4作品も。
アニメだけでなくエイベックス・ピクチャーズを取り巻く環境には様々な子会社があります。
その中に株式会社アニメタイムズ社や FLAGSHIP LINE株式会社、株式会社anchorなどがあり、この子会社と連携しアニメ・ゲーム・舞台・イベントなど様々なビジネスを展開しています。
市場全体を見ると現在はもの消費からコト消費にうつってきているため、パッケージ中心のビジネスからの脱却を目指しています。
そのコト消費の中心となるイベントのお話と声優マネジメントについて、各プロデューサーやマネージャーの方々にお話し頂きました。
舞台・ライヴ・イベントのプロデューサー業務
続いて、ライブ・プロモーションユニット菅原チーフプロデューサーより、舞台、ライブ、イベントについてのお話。
「エイベックス・ピクチャーズが作るイベントは作品やキャストを愛するファンが見たいものを考えて提供するイベントにすることを第一に考えています。そしてそれを事業化し収益化を目指すのがプロデューサーのお仕事。実際には様々な領域に携わり、原作元制作委員会・キャスト・マネージャー・宣伝・MDなど様々な部門の方々と一緒になってイベントを作り上げていきます。その中で大事なのは全体像のスケジュール感を認識し進めていくことです。」
そしてただイベントを開催するだけでなく、その後の展開まで見据えて企画していくことがプロデューサーに必要な1つのスキル、とのことです。
声優や声優アーティストのマネジメント
続いて、マネジメントユニットの佐々木様より声優マネジメントについてのお話。
「マネージャーという職業は知っているかと思いますが深い部分までは知らないと思います。また今回お話しするのは声優や声優アーティストのマネジメントについてなのでその部分を説明します。」
「活動範囲は多岐にわたりアニメのアフレコなどを中心とした声優、さらにキャラクターを通してライブやイベントで歌ったり踊るのが仕事。また声優自身がアーティストとしてCDをリリースすることも多くなってきています。」声優のお仕事をしつつそのリリースしたCDのリリースイベントなど開催。それを通して人気が出てくるとライブイベントの開催やファンクラブの設立もされるようになるとのこと。
「この様々な声優アーティストを取り巻く環境を問題なく遂行することがマネージャーの仕事。」と語る佐々木氏。ちなみにエイベックスピクチャーズに所属している声優アーティストの中にはエイベックス・アーティストアカデミー出身である安済知佳や安野希世乃などがいます。
「具体的な仕事内容は新人発掘から育成・マスタープランの作成・営業・スケジュール管理・SNSの管理….など多岐にわたります。」実はディズニー/ピクサー最新作の『リメンバー・ミー』日本語吹き替えの主演声優に大抜擢された石橋陽彩君を見つけたご担当でもある佐々木氏。仕事で大事にしていることは「どうやったら役者の価値が上がるか考える」「求められること以上のことをやってチャンスを作る」ことの2つ。
「マネージャーとはすべての窓口。役者にとっての顔になるので仕事をつないでいけるコミュニケーション能力と人間性も大事なスキル。大変なのはうそ偽りないのですが、絶対に誰かに必要とされ、だれかの人生にチャンスを与えられる唯一の仕事です。今日のお話でマネージャーになりたいという子が増えてくれたらうれしく思います。」
アイリスのマネジメント声優アイドル
最後に、マネジメントユニットの松岡様より、声優アイドルマネジメントについてのお話。
音楽業界のプロの”エイベックス“と声優業界のプロである”81プロデュース”による共同オーディションにて結成されたユニットで声優としてもアイドルとしても全力で活動するをコンセプトに活動するアイリス。
「そのアイリスのマネジメントは上記2社の共同マネジメントになっています。声優アーティスト界では珍しくないことでLIVEやリリースイベントなどアイリスとしての活動はエイベックス、アニメのアフレコやが洋画の吹き替えなどの声優としての活動を81プロデュースと役割分担をしています。なので仕事内容によってマネージャーが変わるなんてことがあります。」
そしてなんとここからスペシャルゲストとしてアイリスの若井さんが会場に!スペシャルトークショーと題して様々な質問に答えて頂きました。
「声優とアイドルを両立させるという活動において何か苦労することはありますか?」「2つの会社からマネジメントされることに混乱はありませんか?」「声優としてアイドルとしてそれぞれのマネジメントに求めるものはありますか?」など、声優アイドル側からの貴重な意見を聞くことができました。
以上、それぞれの事業担当者にお話を伺い、アニメのみの枠にとらわれず、事業を拡大し続けるエイベックス・ピクチャーズの最新情報が聞けるバラエティに富んだ講義となりました。