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【講義レポート】A&R概論

10月24日の講義は、
エイベックス・エンタテインメント(株)
レーベル事業本部クリエイティブグループ
ゼネラルディレクター 中前省吾氏による、「A&R概論」についての講義でした。

今回から4回続く壮大な講義の幕開け、第1回目となります。
初回は特に壮大かつ濃密ゆえ、残念ではありますが、そのすべてをお伝えすることは難しいです。
エンタテインメント業界を志す方には必聴の講義であったことは間違いありません。

まず、A&Rとは「Artist&Repertoire」の略となります。
直訳すると、アーティストとそれにまつわるレパートリーを考える人、となります。
特にアメリカでは音楽の仕事の分業化が進んでいたので、
レーベルで働く方の仕事がいわゆるコーディネーターに近かったことに由来していたようです。

『音楽という商品の正体』

わたしたちは一体、何を売っているのか?本当に売っていくべきものとは?

まず最初に、音楽ビジネスの歴史について振り返りました。
15世紀、グーテンベルグによる活版印刷の発明により、
楽譜が大量に印刷できるようになったことで、音楽出版社による権利(著作権)ビジネスが始まりました。
そして19世紀 エジソン蓄音機の発明により、音源(原盤権)ビジネスが始まっていきます。
当たり前のことですが、これ以前の音楽というものは、生演奏しかなかったわけです。
また1920年代、ラジオの普及によって、一時期レコードが全然売れなくなった時期もあったようです。

『音楽の楽しみ方の多様化』

ipodの登場で音楽の聴き方が変化しました。
これまでの音質重視の傾向から、手軽に大量に持ち歩けるという文化へ変わりました。
手持ちの楽曲が大量になったからこそ、ランダム機能が機能しはじめたわけですね。
そしてインターネットの普及により、時代が大きく変化、音源を無料で聴ける時代へとなりました。

講義では、現代のレコード会社を「どこでもドア」が使える時代の鉄道会社、に例えてみて、
航空会社や船舶会社と比較したりしてみました。
「どこでもドア」ができてどこへでも行ける中、どこが生き残っていくのか?
ここでわかったことは、今後はプロセスが大事になるだろう、ということです。

カスタマーはどうやって音楽を楽しむか、どうやって買うのか、
音源を届けるレコード会社という枠組みではなくなり、どうやって作るか、どうやって売るか、
いわゆるこれまでのA&Rの業務や役割も大きく変化していこうとしています。

さて、色々な新しいテクノロジーは本当に脅威なのか、
それとも新しいビジネスが始まるチャンスなのでしょうか。

例えばブロックチェーンについて。
イーサリアムのように契約条項も入れ込める技術は、BtoCの立場から見て、
脅威(直接取引)ともとれるし、チャンス(音源の使用許諾を自動化)ともとれます。

著名な企業たちも「モノ」を売ることから「コト」を売ることに変化していっています。

忘れてはいけないことは、音楽はビジネスの起点であり、発想であって、
音楽だから時代的に不利とか、その発想の制限になってはいけないということです。

これからのマーケティング・リレーションとして
今後、Artistと、プラスで創出しなければならないのは、
音楽そのものも勿論大事ですが、それだけでなく
音楽の広め方
音楽の届け方
音楽の売り方
という過程がとても重要になってくる、ということです。

プロというものには、始まりも終わりもありません。
本当にやりたいことに対して強い想いや熱意があれば、
音楽業界であれば、なりたいものになれるかも知れないと体験から基づいて教えて頂きました。

最後に、来週以降取り組むグループ課題についての説明を行いました。
それは次週のレポートにて!今週のレポートは以上です。

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